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研修で読んだ稲盛さんの「生き方」

研修で読むように言われた稲盛さんの著書「生き方」。感想を書いたのでブログにも転載です。

はじめに
稲盛さんと言えば、京セラの創業者であり、DDIを立ち上げNTTに殴り込んだ人。一風変わった経営哲学を持っていると耳にし、京セラの有価証券報告書は一般の日本企業より洗練されており、興味を持っていたのだが、稲盛さんの空気には触れてこなかった。今回本書との出会いは、大変いい機会になった。

価値判断基準
京セラ創業時の稲盛さんは、経営者として何の知識も経験もなかったことには、ただただ驚くほかなかった。ではどうやって今の京セラグループの繁栄があるのだろうか。それを解く鍵の一つは、稲盛さんの価値判断基準にある。

今回の研修で価値判断の大切さを反復学習した。稲盛さんはそれを経営の実務の中で身につけ、基準を洗練していったのだが、大きな柱となったのが「人間として正しいことをする」こと。これは人間が社会生活を営む上では、当たり前のことだ。しかし、ビジネスの社会でこのような倫理的、道徳的に当たり前のことを貫き通すのは、並大抵の努力ではできない。欲や策略、甘言に誘われ、柱がぶれてしまえば、簡単に悪い方に傾いてしまう。ニュースには、粉飾決算だの汚職だのが溢れている。流されるのは簡単だ。稲盛さんは人間として当たり前のことを、経営でも強い意志で貫き通し、京セラグループを鍛え上げた。

「当たり前のことを基準にして、ビジネス社会で生き抜けるんだ。」

成功させるために
稲盛さんは本書の中で、先に述べた人間としてフェアに生きていくことの大切さ、物事を実現に結びつけるとても強い思い、諦めないことを繰り返し説き、現代社会の歪んだ判断基準について警鐘を鳴らしている。個人の集合体である組織。組織の最小構成単位である個人。つまり個々人が人間として正しい判断を下し、狂うほどの熱い思いで仕事に取り組むことが、企業の業績向上に結びつき、富国有徳につながると言う。新しく事業を興すのであれば、その事業は世の中のために役に立つのか、私利私欲で思っているのではないのか、寝ても覚めても考え、徹底的に問い続ける。この姿勢が、事業の行く先をカラーで眼前に表し、高精度の事業計画を作り上げ、組織全員をつき動かす原動力につながる。日々、当たり前のことを当たり前に。シンプルだが、それ故、難しいことだ。

今からできること
本書から読み取れる経営手法は、経営者自身の性格や素質、全社員が正しくこの経営哲学を理解が必要なこと、短期的な業績に結びつきにくいように思う。世界経済、政治の構造や力関係が変化しつつあり、高度経済成長期でない現在では、必ずしも全てが有効ではないかもしれない。新しいものを生み出す時期なのだと思う。ただ「行き方」という書名にある通り、人間が生きる上で大切な指針となることを学んだ。社会のためになるよう、善く生きることを心がけるのみである。

生き方―人間として一番大切なこと
生き方―人間として一番大切なこと 稲盛 和夫

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作成者: Shinji Kawarano

瓦野 晋治 (かわらの しんじ)

個人と企業をつなぐサービスに目がない、PC、インターネットおたく。最近はさぼり中ですが、ギター弾きであり、オルタナ、パンク、ハードコアからジャズ、クラシック、現代音楽までのリスナーです。

1980年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(経営システム工学、人間工学)修了。

大学院在学中にWebデザイナーになりたいと思い立ち、株式会社ユニークアイディ(現 株式会社 関心空間)にアルバイトで採用される。同社が開発した関心空間にどっぷりとはまり、修論を関心空間を題材に執筆。2003年、関心空間に正式に参加。

関心空間社では、関心空間のSEO、アクセス解析、ユーザー動向分析などを担当。また、企業への関心空間エンジン導入案件の、企画、導入支援、制作ディレクション、xhtml, CSS コーディング 等も担当。社内のナレッジコミュニティに、インターネットトレンドやニュースを関心空間ではどう活かせるのか等のコンテンツを投稿し続けた。

2007年9月〜2009年2月
アースリングに在籍。ここは親会社がアニメ企画制作会社の旭プロダクション。主にWebサイト制作ディレクションを担当。

結果、3年に少し足りない2年7ヶ月で退社。国プロやお客さんとの仕事を通じ、基本的な仕事の進め方から、コンサルタントやアナリストとしての在り方を勉強させてもらいました。

2008年8月〜現在
個人事業主としてかわらの創造研究所を開業。個人的な頼み事(例えば、ロケットニュース24)や、ブログと落語ニュースで発生するものを処理するためのもの。

基本的にはロケットニュース24やポーチのサポートをしています。顛末はこちらをご覧下さい。(私事ですが

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